これまで、
「スマートウォッチ」
「ウェアラブル」
「転倒」
「加速度センサ」
など、さまざまなキーワードを使って特許を検索してきました。
しかし、特許はさまざまな文書表現で書かれているので、どれだけキーワードを増やしても、自分が思いつかなかった表現を使っている特許があれば、完全に拾うことは困難です。
そこで重要になるのが、特許分類です。
【記事一覧】
例題で解説する J-PlatPat の使い方 (1) ―― まずは簡易検索で特許を1件見つける
例題で解説する J-PlatPat の使い方 (2) ―― 番号検索で調べる
例題で解説する J-PlatPat の使い方 (3) ―― 5分で特許公報の内容をつかむ
例題で解説する J-PlatPat の使い方 (4) ―― キーワード検索を使いこなす
例題で解説する J-PlatPat の使い方 (5) ―― 検索結果をもっと絞る
例題で解説する J-PlatPat の使い方 (6) ―― FI・Fタームで検索する
例題で解説する J-PlatPat の使い方 (7) ―― 論理式で検索する
特許分類とは?
特許文献には、その発明がどのような技術分野に属するのかを示す分類コードが付与されています。
代表的なものとして、
- IPC
- FI
- Fターム
があります。
IPC は国際的に利用されている特許分類です。
FI は IPC を基礎として日本でより細かく展開された分類です。
Fターム は、特定の技術分野について複数の観点から文献を分類するために利用されます。
特許分類について詳しく説明すると、それだけで1つの記事になるほど奥深いテーマです。
ここでは、
分類をどう特許検索に使うのか
に絞ります。
分類検索の最大のメリット
分類検索のメリットを簡単な例で考えてみましょう。
同じ種類の技術について、
特許Aでは「スマートウォッチ」
特許Bでは「腕時計型電子装置」
特許Cでは「身体装着型情報機器」
と書かれているとします。
「スマートウォッチ」で検索すると B や C を見逃す可能性があります。
しかし、これらに共通するラベルが付いていれば、ラベルからまとめて探すことができます。
このラベルが分類です。
分類を使って検索すれば、技術内容で検索できる。これが分類検索の強みです。
方法1 「当たり文献」から分類を見つける
検索対象に関する特許分類を見つけるための第一歩は、
すでに見つけた関連特許を参考にする
という方法です。
これまで行ってきた検索の中で、「これはまさに探していた技術だ」という文献を見つけたとします。
その文献に付与されている、
- FI
- Fターム
- IPC
を確認します。
分類コードは、J-PlatPat では「書誌」の「国際特許分類」(IPC)、「FI」、「テーマコード」(Fターム)で確認できます。

または、公開特許公報の1ページ目で、「Int.Cl.」(IPC)、「FI」、「テーマコード」(Fターム)が確認できます。

ここで見つけた分類が、新しい検索の入口になります。
Step 1 PMGSを開く
J-PlatPat の 特許・実用新案分類照会(PMGS)では、各種キーワードやコードから、FI、Fターム、IPCなどを調べることができ、照会した分類を使って特許・実用新案を検索できます。
J-PlatPat の上部メニューから、「特許・実用新案分類照会(PMGS)」を選択します。

Step 2 分類の意味を読む
まず「当たり文献」に付与されている分類コードをPMGSで確認してみましょう。
「当たり文献」には、A61B 5/11、G06N 99/00 の分類コードが付与されています。

「検索対象」は、「FI/ファセット」を選びます。
「分類」に分類コード「A61B5/11」を入力し、「照会」をクリックします。
分類コードは、スペースを入れず、詰めて入力します。

分類コードを照会すると、その分類がどのような技術を対象としているのか確認できます。
さらに上位・下位の階層の分類をたどることで、
「この分類は広すぎる」
「もう1段階下の分類が今回の技術に近そうだ」
と判断できます。
方法2 キーワードから分類を探す
「当たり文献」が見つかっていない場合は、PMGS の「キーワード検索」タブから、キーワードで FI、Fターム、IPCを検索できます。

「検索対象」は、「FI/ファセット」を選びます。
「表示画面」は、「FI」を選びます。
「キーワード」は、「FI/ファセット単位」を選び、「転倒」「身体」などの言葉を入力し、「照会」をクリックします。

分類を使って検索する
分類だけを使って検索することでも良いのですが、検索範囲が広すぎて、検索結果の文献数が多くなってしまうことがあります。
通常は、キーワードと組み合わせて、
分類 AND キーワード
で検索を行います。
例えば、転倒検出に近い分類(A61B5/11)と「転倒」「転落」「倒れ」「つまずく」などのキーワードを組み合わせます。

分類表示で分類コードをクリックすると、入力窓が開いて分類コードが追加されます。分類コードをクリックする度に、分類コードが追加されて行きます。

次に「特実検索にセット」をクリックすると、入力窓に追加された分類コードが特許・実用新案検索の検索項目に転記されます。
このやり方であれば、分類コードのミスタイプを防ぐことができます。

「要約/抄録」あるいは「請求の範囲」「全文」などにキーワードを入力して、「検索」をクリックします。
このように、
分類によって技術分野を押さえ、キーワードで目的の技術に絞り込む
検索を行うことができます。
まとめ
第6回は、特許・実用新案検索を使って、FI、Fターム、IPCなどの特許分類を使った検索を行いました。
キーワード検索では、すべての言い換えを考えることが困難でした。
同じ技術でも、特許によって使用されるワードが違うからです。
分類検索は、その技術の概念を指定することで、キーワード検索の限界を超えて、網羅性の高い検索を行うことができます。
次回は論理式による検索を行います。
最後までお読みいただきありがとうございました。




