ここまでの検索では、J-PlatPat の簡易検索を使ってきました。
次は、本格的に検索を行うために「特許・実用新案検索」を使えるようになっておきたいと思います。
簡易検索との大きな違いは、
「どの項目で検索するのか」を自分で指定できる
ことです。
現在のJ-PlatPatでは、「全文」「発明・考案の名称/タイトル」「要約/抄録」「請求の範囲」「明細書」に加えて、「FI」、「Fターム」、「IPC」、「出願人/権利者」など、多数の検索項目を選択できます。
今回は、第3回で作った検索語ノートを使って検索してみましょう。
まず検索対象を概念で分ける
今回探しているのは、
ウェアラブル端末による転倒検出
です。
これを2つの概念に分けます。
概念Aは、
- スマートウォッチ
- ウェアラブル
- 腕時計型
など。
概念Bは、
- 転倒
- 転落
などです。
特許検索では、
概念A AND 概念B
という形で組み合わせるのが基本です。
つまり、
「(概念A)ウェアラブル関係の言葉」と「(概念B)転倒関係の言葉」の両方が含まれる文献を探します。
特許・実用新案検索
Step 1 まず「全文」で検索する
最初は検索項目として「全文」を指定して検索します。
国内文献 2,985件、外国文献 342件がヒットしました。

全文検索は広く検索することができますが、その反面、「バスルーム管理システム」や「遊技機」など目的とはあまり関係のない文献も多く含まれます。
例えば、明細書の中に単に過去の技術として「転倒」という単語が書かれているだけでもヒットする可能性があります。
そこで、検索対象を狭くしてみます。
Step 2 「要約」に限定する
次に「要約/抄録」を検索対象として同じキーワードを検索します。
国内文献 18件、外国文献 2件がヒットしました。

J-PlatPatでは、検索対象を「要約/抄録」に限定できます。
要約は発明の概要をまとめた部分なので、ここに「ウェアラブル」と「転倒」が含まれていれば、その技術が発明の中心に近い可能性が高まります。
全文検索より結果件数は減っても、関連性が上がる可能性があります。
ここで重要なのは、
「件数が多い検索=良い検索」ではない
ということです。
必要なのは、目的の文献が見つけやすい検索です。
Step 3 「請求の範囲」を検索する
今度は「請求の範囲」を指定してみましょう。

請求項には、特許として権利を求める発明が記載されています。
そのため、
その技術が発明の権利範囲に近い部分に含まれている文献を探したい
場合に利用できます。
ただし、請求項は汎用的な言葉で広い概念で記載される場合があります。
例えば、製品としてはスマートウォッチでも、請求項には「電子装置」や「ウェアラブルデバイス」としか書かれていない可能性があります。
このため、検索キーワードは、想定される同義語をなるべく多く考える必要があることが分かります。
Step 4 出願人を指定する
特定の企業がどのような転倒検出技術を出願しているのか調べたい場合は、検索項目に「出願人/権利者」を指定します。
例えば、
転倒関連キーワード AND 特定企業
という条件にすれば、その企業の関連出願を効率よく探せます。
技術動向調査や競合調査では非常に便利な方法です。

Step 5 日付を指定する
「最近5年間に公開された特許だけ調べたい」といった場合は、日付条件を利用します。
J-PlatPatの 検索オプション では日付指定を選択し、開始日と終了日を指定できます。
新しい技術動向を確認したい場合は、日付による絞り込みが有効です。
一方で先行技術を調べる場合には、古い文献が重要になることがあります。
目的に応じて使い分けましょう。

Step 6 不要なキーワードを除外する
検索結果を見ていると、同じような不要文献が何度も出てくることがあります。
J-PlatPatでは、「除外キーワード」が指定でき、指定した除外キーワードについて検索条件に対するNOT検索を行えます。
例えば目的と異なる特定用途の文献ばかりヒットするなら、その用途を表す言葉を除外候補にします。

ただし、重要な文献の全文中に除外キーワードがあった場合、その文献も除外対象になってしまいます。
除外キーワードは使いすぎると重要な文献まで消してしまうので、検索結果を確認しながら慎重に使うのがポイントです。
特許検索は「漏れ」と「ノイズ」のバランス
特許検索では、常に2つの問題があります。
1つは検索漏れ。
重要な特許を見逃すことです。
もう1つはノイズ。
関係のない特許が大量に検索されることです。
検索語を増やして条件を厳しくすれば、ノイズは減ります。
しかし条件を厳しくしすぎると、検索漏れが増えます。
逆に検索条件を広くすると漏れは減りますが、ノイズが増えます。
特許検索では、
広く検索する → 結果を見る → 検索条件を修正する
という作業を繰り返します。
一発で完璧な検索式を作る必要はありません。
むしろ、検索結果からフィードバックを受けながら、検索式を改善することが重要です。
まとめ
今回は、特許・実用新案検索を使って、キーワード検索を行いました。
次回第5回は、「近傍検索」やステータスによる絞り込みを使います。
最後までお読みいただきありがとうございました。


