キーワードを工夫しても、まだ関係のない特許が大量に出てくることがあります。
例えば、
転倒 AND 検出
で検索したとしましょう。
検索対象の中に、冒頭に「転倒」というワードがあり、ずっと後ろの別の説明に「検出」というワードがある文献があるかもしれません。
この場合、「転倒 AND 検出」という検索条件では、文献に両方のワードが存在するので、検索結果に含まれます。
しかし、人間が読むと、この2つのワードを含んでいても、その特許の内容は関係ない、という場合があります。
このようなノイズを減らす方法の1つが近傍検索です。
このほか、期間で絞ったり、登録されているものだけに絞ったり、経過状況で絞ったり、様々な条件でノイズを減らす方法について説明します。
近傍検索とは?
J-PlatPatの近傍検索は、2つのキーワードが文献内で出現する距離を指定して検索する方法です。
例えば、転倒 と 検出、という2つの言葉が近い場所に出ている文献を探します。
「転倒を検出する」
「転倒検出部」
「転倒が検出された場合」
といった記載がある文献を見つけやすくなるわけです。
Step 1 通常のAND検索をする
まず通常の方法で、
転倒 AND 検出
を検索します。

検索結果の中には、「リジェクト装置」「コンクリートディストリビュータ」など、転倒検出技術ではない文献が含まれています。
転倒検出技術に関係のない文献が多い場合、近傍検索を試してみます。
Step 2 近傍検索に変更する
検索画面の「近傍検索」から入力支援画面を開きます。

2つのキーワードと、その間隔などの条件を設定します。
ここでは、「転倒」と「検出」がその順序で30文字以内にある文献を設定します。

そして再度検索します。

通常のAND検索では、国内文献 1,518件、外国文献 40件がヒットしましたが、近傍検索では、国内文献 464件、外国文献 15件に絞り込むことが出来ました。
しかし、目的は件数の削減ではありません。
検索目的に合った文献に絞ることが目的なので、上位の文献を数件開いて、本当に目的の技術に近くなったかを確認し、該当する文献ではない場合は、キーワードを変更して、検索を行います。
日付による絞り込みも組み合わせる
近傍検索以外にも絞り込みを行う方法はあります。
まずは、日付による絞り込みです。
例えば、
「最近のウェアラブル端末の転倒検出技術を知りたい」
という目的なら、検索対象期間を限定します。

逆に、
「このアイデアが昔から存在していなかったか知りたい」
のであれば、古い文献を積極的に確認する必要があります。
登録された案件に絞る
J-PlatPatには、登録日がある国内公報に限定する「登録日ありで絞り込む」という機能があります。
例えば、「公開された出願をすべて見たい」のではなく、「実際に登録に至った案件を中心に見たい」という場合に使えます。

「特許が今どういう状態か」で絞る

さらにJ-PlatPatには、特許出願や特許権が存続中の案件に絞り込むステータス検索があります。
また、リーガルステータスに基づき、
- 審査請求前
- 審査中
- 査定不服
- 特許有効
- 異議申立中・無効審判中
- 出願の却下・拒絶
- 特許 消滅
といったステージで結果を絞り込むこともできます。
例えば、
「この分野で現在有効な特許を中心に見たい」
なら「特許有効」が重要になります。
検索条件を保存する

J-PlatPatには検索条件を保存する機能が用意されています。
また、選択入力で作った検索条件を「論理式に展開」することもできます。
初心者のうちは論理式を最初から自分で書く必要はありません。
まず画面上で検索条件を作り、論理式に展開して確認することをおすすめします。
これを繰り返すと、本格的な検索式にも少しずつ慣れてきます。
まとめ
第4回、第5回は、特許・実用新案検索を使って、キーワード検索を行いました。
しかし、どれだけ工夫してもキーワード検索には限界があります。
なぜなら同じ技術でも、特許によって使用される言葉が違うからです。
こちらが「スマートウォッチ」と考えていても、
「腕部装着型電子機器」
と記載されているかもしれません。
こちらが「転倒検出」と考えていても、
「身体状態の異常判定」
と表現されているかもしれません。
すべての言い換えを人間が考えるのは困難です。
そこで登場するのが特許分類です。
次回はFI、Fターム、IPCを使い、キーワードだけに頼らない検索を行います。
最後までお読みいただきありがとうございました。

