特許を詳しく調べるなら ー Google Patents (Google特許検索) の詳しい使い方

特許検索

Google Patents は、Googleが提供する世界の特許庁の公開公報を横断的に検索できる無料サービスです。
前回は Google Patents の基本的な使い方について説明しました。今回は、詳細検索(Advanced Search)について説明します。
(以下の図は、Google Patents の画面に加筆して作成しています。)

Google Patents Advanced Searchにアクセス

Google Patents Advanced Search (https://patents.google.com/advanced)にアクセスします。 
または、検索結果画面の上部(赤点線部)をクリックします。

検索の方法

画面の左側に表示される①が検索条件設定部です。
②は検索窓で、①で設定した条件が検索式として表示されます。
③は検索結果を分析した結果です。特許権者、発明者、分類別に出願件数を比較します。

Search Teams に、キーワード、CPC、検索式を入力します。

Search Teamsボックスで、Enterキーを押すと新しい検索語(Search Term)ボックスが追加され、ボックス内でTabキーを押すと新しい同義語(Synonyum)フィールドが追加されます。各検索語ボックスは AND結合され、ボックス内の同義語フィールドは OR結合されます。

入力したキーワードは、タイトル、要約、クレーム、説明の各フィールドで検索されます。
例えば「automobile sensors」と入力すると、この2つの単語、またはこれらの複数形、類義語をこの順番で検索します。「-automobile -sensors」は否定形で、どちらの単語も含まない文献を検索します。

CPCを入力するには、ボックス内の右にあるスライダーアイコンをクリックして、Search tools を表示し、Classification タブを選択して CPC を入力し、「Add OR condition」をクリックします。CPCの一部を入力すると、候補が列挙されるのでたいへん便利です。

複雑な検索条件を設定するにはボックスに検索式を入力します。
ここで、デフォルトの演算子は、左結合のAND なので、「automobile OR motorcycle sensor」は「(automobile OR motorcycle) AND sensor」と解釈されます。単語には、複数形と類義語が自動的に含まれます。分類(CPC)も「sensor OR G06V20/56」のように特別な構文なしで使えます。

論理演算子、近傍演算子、ワイルドカードについては、下記「検索クエリ」の項にまとめてあります。

化合物の表示

Google Patentsは、化合物を図面のように表示します。
下記は、検索窓に「~tylenol」と入力して、tylenol の類似検索を行った画面です。

①は、化学物質を識別するコード(InChlKey)です。国際化学物質識別子(InChl)を元にハッシュアルゴリズムで生成された、化学物質をデータベースで高速に検索するためのコードです。

②の Search は、この物質を対象として新たに検索します。
②の Add to query は、この物質を現在の検索式に AND結合で追加します。
②の PubChem は、化合物データーベース(PubChem)へのリンクです。

検索クエリ(Search Query)

ブール構文(USPTO または EPO形式)

論理演算子(boolean operator)は、AND, OR, NOT, XORが使えます。

論理演算子動作
AND同一のドキュメントの中に2つの単語が存在する特許文献が検索されます。語順は関係ありません。
デフォルトの演算子です。
photographic AND noodleドキュメントの中に「photographic」と「noodle」の両方が存在する特許文献が検索されます。順序は問いません。
OR同一のドキュメントの中に少なくとも1つの単語が存在する特許文献が検索されます。dog OR catドキュメントの中に「dog」と「cat」の少なくとも1つが存在する特許文献が検索されます。
NOTNOTの前にある単語が存在し、NOTの後にある単語が存在しない特許文献が検索されます。語順は関係ありません。cardboard NOT boxドキュメントの中に「cardboard」は存在するが、「box」は存在しない特許文献が検索されます。
XOR同一のドキュメントの中に2つの単語のいずれかが存在するが、両方は存在しない特許文献が検索されます。pipe XOR ptfeドキュメントの中に「pipe」と「ptfe」のいずれか1つが存在するが、両方は存在しない特許文献が検索されます。

ワイルドカードは、綴りが似た単語をまとめて指定するときに使用します。

ワイルドカード説明動作
?単語の中のいずれか0文字または1文字と置き換えます。単語の先頭でも末尾でも使用できます。m?croドキュメントの中に「micro」「macro」などの単語が存在する特許文献が検索される。
#単語の中の1文字と置き換えます。単語の先頭でも末尾でも使用できます。m#croドキュメントの中に「micro」「macro」などの単語が存在する特許文献が検索される。
* or $単語の中のいずれか0文字または複数の文字と置き換えます。単語の先頭でも末尾でも使用できます。micro*
micro$10
ドキュメントの中に「micro」から始まる「microencapsulated」「Microelectronic」「microelectromechanical」などの単語が存在する特許文献が検索される。
$x単語の中のいずれか0文字からx文字と置き換えます。単語の先頭でも末尾でも使用できます。micro$3「$3」は3文字と置き換える。ドキュメントの中に「microvia」「microbio」「microsec」「microgel」などの単語が存在する特許文献が検索される。

近傍演算子(proximity operator)は、ADJ, NEAR, WITH, SAMEが使えます。

近傍演算子説明動作
ADJ, ADJx, DJ/x, ADJ+xw1つの文の中で、2つの単語がその語順で指定した距離(x)内に存在する特許文献を検索します。Wet ADJ/4 silicon「wet」の後4ワード以内に「silicon」が存在する文がある特許文献が検索されます。
「ADJ」は「ADJ/1」と同じ意味です。
NEARx, NEAR/x, NEAR/xwADJに似ていますが、語順は問いません。cyclotron NEAR/7 magnetic「cyclotron」と「magnetic」が7ワード以内に存在する特許文献が検索されます。語順は問いません。
「NEAR」は「NEAR/1」と同じ意味です。
WITH20語の距離内にある文の中に、2つの単語が存在する特許文献を検索します。語順は問いません。detect WITH light20ワード以内に「detect」と「light」が存在する特許文献が検索されます。語順は問いません。
SAME200語の距離内にある段落の中に、2つの単語が存在する特許文献を検索します。語順は問いません。wheel SAME wood200ワード以内に「wheel」と「wood」が存在する特許文献が検索されます。
語順は問いません。

サーチインデックス(フィールドコード)の活用

「Search Term」ボックスにクエリを入力します。

フィールドコード説明
AB=Abstract(要約)を検索AB=radar
CL=Claims(請求項)を検索CL=tube
TI=Title(タイトル)を検索TI=concrete
IPC=IPC(International Patent Classification)を検索IPC=F16L7/00
CPC=CPC(Cooperative Patent Classification)を検索CPC=F16L11/00

メタデータ(発明者、出願人、日付など)には以下のものがあります。

メタデータ説明
assignee:Assignee(出願人/特許権者)を検索assignee:Microsoft
assignee:”Google Inc”
country:Country(国別)を検索country:US
status:Status(ステータス)を検索status:grant
inventor:Inventor Name(発明者名)を検索inventor:(Smith NEAR2 John)
inventor:”Steve Jobs”
language:Language(言語)を検索language:english
after:
before:
出願日の前または後の検索after:2010
before:”Jan 2006″
before:”1/2/2006″

まとめ

今回は、Google Patentsの詳細な検索方法について解説しました。
Google Patents は多くの機能があり、日々進化を続けていますので、この記事に掲載していない機能が追加されているかもしれません。Google Help を参照してください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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